酒楽食楽 ~知多半島・名古屋行~

旨い食には、旨い酒。『盛田』が飲める、名古屋の旨い店。

ビール、ワイン、ウイスキー、カクテルなどなど、世界各国の酒が気軽に飲めるようになった。日本酒にしたって、東北の酒、新潟の酒、灘、伏見の酒など、全国の地酒が、名古屋に居ながらにして楽しめるのである。いい時代になったものだが、とはいえやっぱり愛知の味には愛知の酒である。地元で長年人々に愛されてきた料理には地元の酒が一番合うのだ。ここでは、名古屋ならではの味が楽しめる店で飲む、地の酒『盛田』の魅力をご紹介したい。

二軒目 地鶏屋本店

(取材日:2014年10月9日)

『盛田 無濾過吟醸 本生』と名古屋コーチン

カウンターに座り、目の前の焼き場で仕事をしている大将に『盛田』の酒を注文する。塗りの枡の中に冷えたグラスが入れられ、そこに冷蔵庫から出された一升瓶からトクトクトクと酒が注がれる。『盛田 無濾過吟醸 本生』700円。一口目、舌の上で芳醇な風味が一瞬にして花開き、穏やかな吟醸香が鼻に抜ける。しかし、喉を通ると後口はすぐに消え、口の中には爽やかな香だけがほのかに残っている。キレのいい酒というのはこういうことなのだろう。 この酒に、さて、どんな料理を合わそうか。再び、大将に相談してみると、「おすすめは、名古屋コーチンですかね」と即答。こういうアドバイスには乗っておくべきと「名古屋コーチン入りおまかせ串焼き6本」をオーダーする。しばらくして焼きあがってきた串焼きが運ばれてきた。3本はつくね、あとの3本は…、一体なんだろう。見た目だけでは鶏のどこの部位なのか、さっぱり見当がつかない。
「名古屋コーチンの皮とムネ肉とモモ肉を一つの串にさして焼いています」と大将が説明してくれた。一口頬張ると、皮のパリッとした食感とムネ肉の旨味、モモ肉のジューシー感が同時に口の中に広がる。複雑な食感、そして重層的に味覚に訴えてくる名古屋コーチンの肉質。これだけ仕込みに手間隙がかけられた串焼きが6本で780円は安い。

そして、名古屋コーチンというのは、他の鶏肉と違って風味が繊細で、しかも濃密な旨味がジュワっと口の中に広がるのである。『盛田 無濾過吟醸 本生』の米と麹から醸される豊かな味わいと実に幸せなとり組み合わせになる。肉の脂をキレのいい酒がスーッと喉の奥に流してくれる感覚もいい。
もう一品は「こぼれいくらおろし」。てっきり鮨ネタのことかと思っていたが、これが実は串揚げなのである。大根を薄切りにして衣をつけ揚げる。そこにいくらをこれでもかと乗せていただくのだが、これまた未体験の味。淡白な風味の大根が油で揚げられることで存在感が生まれ、その上にいくらである。このいくらはソースやドレッシングのように味付けとして役割も果たしているのだが、プチッとはじけるいくらの食感とサクッとした大根の食感が鮮やかなコントラストを描いている。『盛田 無濾過吟醸 本生』との相性も抜群。いくらに合う酒って、やっぱり日本酒以外にはありえない、とつくづく思う。この一品が280円。本当にこんな値段でいいのだろうか。
安くて旨い、そして大将の梅本さんをはじめとするスタッフのみんなのきびきびした接客も気持ちがいい。会社帰りの行きつけに是非とも加えたい店だ。

(取材日:2014年10月9日)

地鶏屋本店
住所
愛知県名古屋市中区錦1丁目18-14
電話
052-202-6565
営業時間
11:30~14:00 / 17:00~24:00
定休日
日曜
料金
三河とり白肝(串焼き)150円、鶏のみそ串カツ120円、明方ハムカツ150円、厚々子持昆布280円
交通
名古屋市営地下鉄東山線・鶴舞駅伏見駅より徒歩5分
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末喜
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